欲しいのはただ、愛おしい妹だけ
「やったぁ~!!優しい兄ちゃん、だぁーーい好きっ!」
天使の様に、眩しい笑顔を向ける彼女
ほら……また、俺の中にあるイケナイ気持ちが高鳴りだす
胸の鼓動が鳴るたびに、何度も何度も『好きだ』と感じてしまう
何度も何度も、抱き寄せたくなる
でもその度に、何度も何度も何度も何度も…
グッと唇を噛み締め、ただ耐える
そんな彼女の名前は
大崎 聖愛(おおさき せな)
俺、大崎 矢尋(おおさき やひろ)の
妹です───……
「──っとに、矢尋はいつまでたっても聖愛に甘いんだからっ」
ちょっと不機嫌そぅに俺を睨む女の子は、幼なじみの桜良(さくら)
「まぁまぁ。兄妹、仲がいいだけじゃん?
それに、矢尋が聖愛に優しいのは、今に始まった事じゃねぇーしっ」
不機嫌な桜良の横でそぅ言ってきたのは、桜良の双子の兄である蒼良(あおい)