欲しいのはただ、愛おしい妹だけ
そう感じながらも、聖愛から目が離せない
離す事が出来ない
『妹』ではなく『一人の女性』として、俺の視界に入り込んでくる
このイケナイ気持ちに付いたのは、中学3年生の時だった
「……っとに、女は何であーやってすぐに細かい事で喧嘩するのかねぇ…。」
隣で2人の喧嘩を見物していた蒼良が
やれやれ…っという感じに呟く
…蒼良の心境は、よく分かる
「…そ、そーだよね……。」
だから俺も、ぎこちない笑顔で呟いた
蒼良はというと、さっきの言葉とは裏腹に、軽く微笑みながら2人の言い争いを見つめてる
いや、蒼良が見つめているのは2人なんかじゃない
俺はそっと、聖愛を見た
そして次は、そのまま蒼良に視線を移す
いつのまにか仲直りしていて、お互いに笑い合っている聖愛と桜良
聖愛が笑う度に、蒼良の唇もクスリとつられて笑っている