いっしょに☆鬼退治に行きませんか?
すると、碓河が触れたところから光が溢れ、黒い煙のようなものが体の中からユラユラと浮き出てきた。

っ、体が熱い…

まるで、何かが体から出ることを拒んでいるようだった。


「コイツ…しつこいな…。
ここから、出ていけーっ!!」

碓河が叫んだ瞬間、体からスルッと黒い煙が抜け出し、溢れでた光に包まれると消え失せた。

先程までの異変は嘘のように消え、私はその場に崩れた。

助かった…

「はあ…はあ…。
今のは、なに!?」

息も切れ切れに彼に聞いた。

碓河は少し疲れた顔をしている…
私を助けるため無理をしたのだろうか。

「…あれは、死鬼。
その昔、桃太郎に倒された鬼の魂だ」

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