いっしょに☆鬼退治に行きませんか?

碓河はそんな桃の後ろ姿を黙って見送っていた。

「…………」

そして、その場に一人佇みおもむろに右手を眺めた。

桃に取り憑いた、死鬼の呪縛を解いた時のことが思い出される。


「…伝説の桃太郎、か…」


碓河は、幼い頃より頭に描いていた桃太郎像とは違うその小さな背中に、心が乱れていた。
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