今までの自分にサヨナラを
陽だまり
――晴れ渡る空の下、ゆっくりとした足音が一定のリズムを刻む。
それに重なる私の車椅子の走行音。
何故か私は今日も、彼と外を歩いていた。
「急にごめんね。のんにさゆの話したら会いたいってうるさくて」
彼は申し訳なさそうに眉を下げ手を合わせて謝ってくる。
そう、今日いきなり連絡があって、また会うことになってしまったのだ。
まったく、彼の行動というのは私にはわからない。
「別にいいけど、私が家に行って大丈夫なの……?」
今、不安なのはこのこと。
自分では自由に外出できないから友達の家すら行ったことがないのに、他人の家なんて行けない……。