今までの自分にサヨナラを
それに、彼の家の人は私のことを知ってるんだろうか。
……“車椅子”の私にきっと驚くに決まってる。
だから私は、あまり人とは関わりたくない。
私は前からさす眩しい日差しを、鬱陶しく思いながら目を細めた。
なのに、彼の能天気な声は響く。
「もう大歓迎だって!母さんなんて嬉しがってたんだから」
彼のはずむ声に、私は心の中でため息を吐く。
確かに彼のお母さんには病院で会っているけれど、私の気持ちは重いまま。
誰にでも自然に喜んで受け入れられる彼に、差別される私の気持ちはわかるはずもないんだろう。