今までの自分にサヨナラを


私のつまらない世界など、この光を前にしたら一瞬でくすむ。


はっきりわかる、私と彼が違いすぎること。


陰と陽というように、対極にある存在だということを。


胸の奥が握り潰されるように苦しくて、私でも普通の顔を保てなくなりそう……。


「どうかした……?具合でも悪い?」


変なところは勘がいいのか顔を覗き込まれそうになって、私は慌てて俯いた。


「何でもない」


振り絞った嘘は、更に胸を締め付ける。


嘘を吐くくらい何でもないことなのに、何でこんなに苦しいのよ……。



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