今までの自分にサヨナラを
私は目を瞑って下唇を噛んだ。
もう他人の恋を馬鹿にはできない。
そんな資格すらないよ、こんな臆病者には……。
なっちの想いが痛いほどに伝わってきたから。
壊れそうなくらい、ともを想ってるんだ。
……何故かなっちと彼が重なった。
彼もこんな気持ちだったの?
本当なら、何で私なの……。
普通の子じゃなくて、何で私なの――。
私は込み上げる何かを抑えるように、腕を強く瞼に押しあてた。
彼が、私にはわからない――。
その時、電子音のメロディが突然鳴り響いた。