今までの自分にサヨナラを
私は慌てて枕脇のケータイに手を伸ばし、音を止める。
そして私は息を呑んで、隣に並べられたもう一台のベッドに視線を移した。
一定に聞こえる寝息と動かない布団の膨らみ。
いつも隣のベッドには、お母さんが寝ている。
私は寝返りも打つことができないから、そのために同じ部屋で寝ているのだ。
どうやら着信音では起きなかったようで、ほっと胸を撫で下ろす。
そうして届いたメールをやっと開けば、予想通りの相手。
〈元気してるー?なんかさゆりんと話したくて〉
茜ちゃんらしい言葉が並んでいた。