今までの自分にサヨナラを

心と現実の間で



――リビングの窓から外の景色が目に入る。


隣の畑には新しい作物が根付き、成長していた。


時の流れは、はやい。


薄紅色の一時の幻想世界は、とうに終わりを告げた。


今は緑色染まっているのだ、この世界は。


もう四月が終わる。


桜の花弁、一片さえも、もう消え失せたか、すっかりくすみ切っている頃だ。


そうやってただただ季節は巡る。


彼と連絡を絶ってから、あっという間に時が流れた。


ケータイの受信BOXも着信履歴も今は彼名前でいっぱいだけど、きっとそんなに時間は経たなくたって消えていくんだ。



< 157 / 326 >

この作品をシェア

pagetop