今までの自分にサヨナラを
胸がいっぱいで、涙が溢れそうになるのをぐっと堪える。
そして、私はお父さんに真正面から向き合った。
「お願いします、お父さん――」
私が今まで口にした中で一番の我が儘。
いつだって障害のことを考えて、迷惑をかけないために言わないようにしてきた。
でも、今回は気持ちを誤魔化せない。
彼と一緒にいたいんだ。
だから、今回ばかりは物分かりのいい子にはなりたくない。
私はひたすら頭を下げた。
かたく閉じた目蓋の裏に、あつい涙をためながら。
「……お母さんは認められないわ」