今までの自分にサヨナラを
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この学校は外の光がさす場所が少ない。
一階のエレベーターホールはどんよりとした天気のせいか薄暗く、疎らに登校してきた生徒の声が反響する。
今日、私はどのくらい口を開いただろう。
電動車椅子をただなんとなく壁際を走らせながら思い返せば、片手で数え切れるほどしか言葉を発していない。
お母さんはいつも通り面倒をみてくれるけれど、溝が大きくなったのは確実だ。
だからといって、埋める気もないからいいのだけれど、心だけは重く沈む。
その時、視線の先に花が咲いたような綺麗な笑顔を見た。