今までの自分にサヨナラを


そんな中、リビングにかけられた時計が秒針の音を無駄に響かせていた。


茜ちゃんは返信が速いのに、今日はなかなかこない。


一秒一秒、針の動く音を聞くたび、時の長さを感じる。


そして、その音の数だけ不安がつのっていった。


すると、突然画面が光って、微かに安堵する。


〈ごめんね。後輩にこんなこと言うべきじゃないんだけどさ、親には言えなくて。作業所行きたくないんだ……。何だか合わないし、一ヶ月頑張っても工賃はお小遣い程度でさ……。嫌になっちゃった。愚痴ってごめん〉


私は文面を何度も読み返して、下唇を噛んだ。


茜ちゃんが愚痴を言うなんて珍しい……。



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