今までの自分にサヨナラを


ハートのチャームに書かれた心友の文字が手の平の中でキラキラと輝く。


茜ちゃんはいつからか私のことを親友ではなく、心友と呼ぶようになった。


私もその言葉が好きで、気に入っていたのだ。


まさに唯一心を開けるのは茜ちゃんだけだから。


そして、そんなある日、茜ちゃんが得意気にくれたものが、これなのだ。


この時のことは今もよく覚えている――。


“偶然見つけて迷わず買っちゃった!”


そう言う茜ちゃんは心底嬉しそうで、私まですごくすごく嬉しくなったんだ。


なのに、何で茜ちゃんは今更、後輩だとか気にするのだろう。



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