今までの自分にサヨナラを


少し薄暗い教室に三台だけ置かれた生徒用の机。


なんだか閑散としているが、ここが私のクラス、高等部九組だ。


障害の種類や学年等で細かくクラス分けされ、このクラスは障害がほぼ同程度の二年生が集められている。


私は一番手前の机の前へと、電動車椅子の電気音を響かせながら進ませた。


あとの二つの机は散らかっていて男子二人は今だに戻ってこない。


あんな授業、私は出たくもないほどなのに。


……ただ上辺を撫でた、絵空事を並べる先生の話なんか……。


結局は知ったような顔しても、私たちのことなんて何も理解してないんだよ。



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