今までの自分にサヨナラを
最終章
命の痛み
――涙が枯れるくらい泣くという言葉があるけれど、それは間違いだと思う。
涙なんて枯れやしない。
窓からの日差しを受けて、机の上の丸い鏡がキラリと光る。
ふと覗き込んでみれば、見たくもない醜い顔が映し出された。
みっともなく瞼は重く腫れ、目の下は隈ができている。
頬は濡れたように光り、目尻はたえず涙が滲んでいた。
夜通し泣いても涙は枯れる気配もみせないものだ。
鏡の中の死んだような目と自分自身の目が合うと吐き気すらしそうで顔を覆った。
こんな自分なんて、消えてしまいたい。