今までの自分にサヨナラを


私が投げ付けた言葉は、そのまま自分にあてるべきものだ。


産まれてはいけなかったのは、私の方。


産まれたこと自体が、私の罪。


だから、生きている資格なんてどこにもない――。


私はこの腕の動くかぎり、あたりかまわず暴れ回った。


嘆きとけたたましい騒音に汚れる部屋。


しかし、静寂は一瞬にして取り戻された。


代わりに残ったのは、無惨に床を転がる私の崩壊の痕跡。


そして、心にぽっかりとあいた穴。


穴には虚しさだけが群がってきた。


床に落ちた写真の中の笑顔のお母さんに胸が疼く。


私みたいな人間は死んだほうがいい……。



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