今までの自分にサヨナラを


なのに、神様はとことん私達に意地悪だ。


呆然とする私の前で内川先輩は穏やかに眠っていた。


何で先輩なのかわからない、今でも。


先輩はこの時まだ中学にあがったばかり。


何日も信じられなかった。


また笑わせてくれそうで、また強い言葉をくれそうで……。


でも運命は残酷で、病気による、あまりに早すぎる死だった……。


私にとって初めてだった、こんなにも身近な人を永久に失うことは。


私が神様に選ばれればよかった。


何もない私より、一生懸命生きてた先輩の方が、生きるべきだった――。



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