今までの自分にサヨナラを


それでも私は進み続けた。


もう踏み出したからには、後ろは見ない。


引き返すつもりなんてさらさらなかった。


行き先なんてわからないけれど、私は進むことしかできないのだ。


その時突然、何故か前輪に走った衝撃に身体が揺れる。


よく見れば道路に出る手前に微かな段差があった。


こんなちっぽけな段さえも躓いてしまう。


でも、こんなものは乗り越えられるからまだいいが、それ以上に阻むものなんてありふれている。


普段は車で通るばかりだから、長年通っていても見知らぬ脇道に入ろうとした。


しかし、目に飛び込んできたのはずっと続く砂利の道。



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