今までの自分にサヨナラを


前日から雪が降るのではないかと人々を騒がせ、狂ったように空を舞い踊る。


そんなお騒がせ者だけど、その終わり方は実に呆気ないものだ。


音もなく、跡形すら残さない。


潔く綺麗な終わり方だと私は思う。


私も風花のように、なりぞこないだから。


ならばせめて、最期は綺麗に消えたいよ……。


そして、楽になりたい……。


私は一つため息を吐いた。


机には全商簿記検定の過去問、右手には握られたままのシャープペン。


また馬鹿げた事に時間を使ってしまった。


私は眼鏡をかけ直し、改めて過去問に取り組み始めた。



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