今までの自分にサヨナラを
私が持つ病気は“脊髄性筋萎縮症”という。
文字のとおり、筋肉が萎縮していく病気。
二歳の頃、私はなかなか一人歩きをしなくて、心配になった両親が病院に連れていき、色々な検査を受けてやっと病名が出たんだそうだ。
もちろん私は幼すぎて覚えてなどいない。
だから、私は幼い頃からこの身体が当たり前だった。
でも、こんな自由のない身体、何一つ普通なわけなかった……。
着替えもトイレもお風呂も身の回りのことは、人の手を借りなければ何もできない。
手も、手の平が顔につく程度しかあがらない。
筋力だって教科書とノートの一組を持つのが精一杯だ。