今までの自分にサヨナラを


私が持つ病気は“脊髄性筋萎縮症”という。


文字のとおり、筋肉が萎縮していく病気。


二歳の頃、私はなかなか一人歩きをしなくて、心配になった両親が病院に連れていき、色々な検査を受けてやっと病名が出たんだそうだ。


もちろん私は幼すぎて覚えてなどいない。


だから、私は幼い頃からこの身体が当たり前だった。


でも、こんな自由のない身体、何一つ普通なわけなかった……。


着替えもトイレもお風呂も身の回りのことは、人の手を借りなければ何もできない。


手も、手の平が顔につく程度しかあがらない。


筋力だって教科書とノートの一組を持つのが精一杯だ。



< 39 / 326 >

この作品をシェア

pagetop