今までの自分にサヨナラを
道はわかれて
――卒業式一週間前。
廊下、三年生の教室、響く笑い声。
それが一週間後には消えるのだ。
ちっとも実感なんてわかない。
でも、静かに、しかし、しっかりと時は刻まれる。
小学部からずっと一緒の茜ちゃん。
もうすぐその十一年の月日にピリオドがうたれる。
そう、茜ちゃんとこうしていられる日々も残りわずかになのだ。
「もうさ、こんな時間もなくなるんだね……」
吐息のように言葉が漏れる。
胸にどうしようもないさみしさが溢れていく。
だって入学した時から茜ちゃんはいて、いない日々なんてわかんない……。