今までの自分にサヨナラを


だけど、茜ちゃんはすぐに真っ直ぐ前を見つめる。


「だけど、諦めないでさ、書き続けるよ。作業所に行っても書けるから、小説は」


飛び込んできたのは、凛とした言の葉たち。


その声は、光のように一直線で迷いなどなかった。


……羨ましい。


私には夢がないから。


やりたいことを探すなんて私にはなくて、できることだけを探してきた。


いつだって、これはできない、それは合わないと、自分自身で選択肢を消去する。


そして、残ったのはやはり一番無難な在宅という道。


結局、私の進路は両親が決めたものになる……。



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