今までの自分にサヨナラを
第二章
絵の中の私
――色鉛筆で描かれたパステル調の一枚の絵。
一色一色、丁寧にやわらかいタッチで彩られ、どの色一つ褪せてなどいない。
まるで時が止まってるみたい、あれから七年もの月日が流れているというのに。
その絵の真ん中では、ポニーテールの幼い少女が優しく笑いかけてくる。
穏やかに目を細め、光がこぼれるようなとてもやわらかい笑顔。
本当に私なのだろうか……?
信じられないくらいの笑顔を見せる、絵の中の私。
全て思い出した、羽田野光の存在を、出会いを……。
ただ、私がこんなふうに無邪気に笑ったとは信じがたいけれど。