今までの自分にサヨナラを
この頃の私はまだ無邪気だったのかな……。
もう自分でも分からない。
私は導かれるようにタンスの上に目を向けた。
ずっとずっとそこにある。
大切な私の宝物。
色とりどりに描かれた想像的な近未来のような世界。
彼の絵とは正反対で、パソコンで描かれたシャープな絵だ。
強く揺るがない世界観――。
分かってたって見てしまう。
苦しくなるのに、駄目な自分を戒めるために……。
あんな現実に直面していなければ、私はもう少し違う人間になっていたのかもしれない。
……そう、彼に出会ったのはそのほんの少し前のこと――。