今までの自分にサヨナラを
「おねえちゃん、大丈夫……?」
ふと、左側からまだあどけない声が聞こえた。
咳を落ち着かせて視線をうつしてみれば、ベッド脇から幼い女の子がちょこんと顔を出している。
思いもよらないことに、私は一瞬固まってしまった。
よく見れば少女の背丈はまだまだ低くて、ピンク色のパジャマの袖は長く、手まで隠れている。
おかっぱの髪はやわらかそうで、くりくりとした大きな瞳はもじもじしながら私を見つめていた。
「……あ、ありがとう、大丈夫だよ」
こういうのは慣れないから、何て言っていいか分からない……。