今までの自分にサヨナラを
「……私、こんなに笑ってないよ……」
私によく似てるけど、決定的に違うの。
こんなにも輝くように、私は笑わない、笑えない……。
手に取った笑顔の絵の中の私は眩しすぎて、私は紙を持つ手に力をこめ俯いた。
「そのまんまのさゆだよ。さゆの笑顔、すごく綺麗だったから――」
でも、彼の笑顔は、窓から射す日よりも、ずっとずっと綺麗――。
「俺、画家になるんだ。さゆは小説家だね。一緒に夢叶えよう」
そう言う彼の瞳は真っ直ぐすぎた。
黒いキラキラした瞳は、少しも曇りはなくて私に向けられる。
まるで、その瞳には、未来が写っているみたいに。