今までの自分にサヨナラを
綻びかけの蕾
――嫌でも時は淡々と流れていくね。
目を閉じれば、瞼の裏に浮かぶ茜ちゃんの凛々しい姿。
体育館に残る私の前を、見慣れないスーツ姿の茜ちゃんが通り過ぎていった。
小学部の頃からずっと一緒だったけれど、茜ちゃんは私の一つ上の先輩。
私の滲む視界の中では、花道に紙吹雪がひらひらと舞散っている。
その真ん中を祝福されて進む茜ちゃんは、立派に胸を張っていた。
……もう、茜ちゃんは卒業してしまったんだ。
まだ、何にも想像できないよ。
茜ちゃんのいない学校が……。
それだけ、私は茜ちゃんに支えられてたんだね。