Sunset
2.出会い
次の日。

僕は初めて明るみで部屋を見渡した。

昨日は周りをカーテンで囲われていたから分からなかったが、
他にも僕と同じくらいの子供が同じようなベットで眠っていた。

ベットの頭元には番号の書かれた札があった。

まるでここは病院のようだ。

ここが病院じゃないと分かったのは…

ジリリリリリリリリ!!!!!

頭元の鐘が一斉に鳴り出した。

先ほどまで眠っていた子供たちが一斉に起き出した。

誰も、誰にも話しかけることはなく、部屋を出ていく子供たち。

すごく異様な空気だった。

僕も部屋を出ようとした。

僕のいくつか隣で寝ていた"314"番がみんなより少し寝過ごしたようで、
ばっと起きて、僕らは目が合った。

あちらも初めて人を見たような目でこちらを見つめている。

どちらも逸らせない状況になっていた。

301は爆笑した。301は女の子だった。

「じゃあね。」と一言言って走って出ていってしまった。

僕も部屋を出た。
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