泣き虫なお姫さま。
「まおは?」
「もうすぐ来ると思う」
「一緒に来ればいいのに」
愛川…… そう簡単に言うな。
いくら俺がまおを“好き”でも、まおは俺のことをただの“幼なじみ”にしか思っていないのは明白(メイハク)だ。
「ガンガンまおにアタックしなきゃー」
俺が急にまおにそんなことしてみろっ、アイツはきっと――― 俺を怖がる。
まおは気付いてないと思うが、まおには少し“男性恐怖症”な部分がある。
俺や陽太なら、なんとも無いが、それ以外のヤツがまおに近づいたり、話し掛けると、まおは少し強張った表情に変わる。
俺と陽太だとそれが無いと言うことは――― まおが俺たちに少しでも、心を許している証拠になっている。
「優ちゃーん」
「まおー」
少し遅れて、まおも駅からバス停にやってきた。
4人で、学校に向かう。