悪魔契約~10days~【完】
手をしっかり握り力を入れて立ち上がる。
右足、左足・・少しずつ慎重に。
「たっ!!立てた!!」
「ふざけんな!!あっぶね・・」
私は立てた喜びで悪魔の手を離してしまい横に地が無いことを
完全に忘れていた。
バランスを崩し、身体は横に傾いて行く。
いきなり死ぬなんて
―――いやあああ!!
ポフッ
あれ?柔らか・・い?
身体は落下せず柔らかいものに受け止められた。
「あああああっ悪魔さん!?」
受け止めたのは悪魔。
しかも空中の状態で。
「礼を言え。礼を。ったく世話の焼ける奴。」
「アリガトウゴザイマス・・・。」
抱き締められるのなんて初めてで私は滅茶苦茶動揺し。
お礼の言葉は、完全に棒読みになっていた。
私を最初に抱き締めた奴は
恋人でもなく
家族でもなく
友人でもなく
____悪魔だった。