芸人の彼女


「タクくん♪顔上げて」



俺は彼女の甘い言葉の蜜に
吸い寄せられるように
頭を上げた



だがそこには
俺の想像していた
彼女の優しい笑顔はなく



あったのは大きな手のひらだった




そしてその手のひらは
俺の左頬にクリティカルヒットし


一瞬だけ見えた
彼女の顔は笑っていた




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