オレ、トーフ。【短】
陽が沈むに連れて、ユズハの顔が強張っていくのがわかった。


テーブルはご馳走で埋め尽くされていて、これから楽しい事が起こりそうな予感がするのに…


ユズハの顔からは、そんな素振りが微塵も感じられない。


「ハァ……」


ソファーに座っているユズハは、さっきから膝の上に置いている箱を何度も見ては、深いため息をついている。


心配で堪らないオレがユズハを見上げていると、ユズハは何かを決意したように顔を上げた。


「ちょっと待っててね」


そしてそう言い残し、箱を持ってリビングから出て行った。


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