オレ、トーフ。【短】
ユズハはゆっくりとオレを離して、トーヤの体をギュッてした。


何となく二人の邪魔をしちゃいけない気がして、ユズハの傍からそっと離れる。


トーヤ……


仕方ないから、今日だけはユズハを譲ってやるよ!


だって……


オレの前足じゃ、ユズハをギュッてしてやれないからさ……


ソファーの下に置いてあったブランケットに乗って、寂しさを感じながら二人を見つめる。


いいなぁ、トーヤ……


オレも、お前みたいに長い前足が欲しいなぁ……


そして、密かにそんな事を思っていたんだ――…。


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