ヘタレ王子とヤンキー姫
said KAON

春樹が泣き始めた。

よしっ思惑通り。

…あれっ?今日は来ないの?

「春樹〜おいで。」

呼んでも反応なし。

あっ怒った?

拗ねてる拗ねてる♪

「春樹〜。」

「春樹〜。」

颯太たちが呼んでも反応なし。
下を向いて動かない。

ちょっとやり過ぎたかな。

でもお前が悪いんだぞ。

かわいいことばっかするから。

そんなことを心のなかで、呟いてみる。

「ごめんごめん。」

…おっ、頭撫でても反応しない。


これはマジで怒ったか。

爆笑するバカップルはほっといて、慰めてやるかな。

横から春樹を抱き締めてやる。

足をもって、膝にのせる。

「ごめんな。ちょっと好奇心が働いてさ(笑)もうしないからさ。ホラーも見ないし。」

頭を撫でながら、話しかける。

いい加減観念しやがれ。

「…ホントにもうしない?」

…やるに決まってんだろバーカ

「しないよ。」

「じゃぁ許してあげる。」

そのまま胸のなかに顔を埋めて来た。

…春樹…もうやめろ…

それ以上は、反則だ。
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