ヘタレ王子とヤンキー姫
said MEGUMI

樺音が朝ご飯の準備をして、春樹を起こしに行ってから、なかなか戻ってこない。

しばらくして、なき声が聞こえた。

朝からなにしてんの?

すごいうるさい。

それから少したって、樺音がパジャマ姿の、春樹を抱いて降りてきた。

お姫様だっこ?

でも春樹は男だから、王子さまだっこ?

ってそんなの聞いたことない。

ってかそれどころじゃない。

「…何やってんの。」

颯太も横で唖然としている。

「なかなか起きないから、耳元で叫んだら泣いた(笑)めんどくさいから抱えてきた。」

…力ありすぎ。まぁ春樹は痩せてるから、軽いんだろうけど。

いやいや、そうじゃなくて。

「樺音はただでさえ、オーラがすごいんだから、怒鳴ったら泣くに決まってるじゃない。」

「しかも耳元で叫ぶなよ。」

颯太も賛同する。

「だって春樹いじめ楽しいじゃん。」

うわっ…樺音の新たな顔発見。

性悪女王だ。

樺音が笑いながら春樹を椅子の上に下ろす。

春樹はいつのまにか泣き止んでいた。

みんなで食卓を囲む。

最近樺音のキャラが、変わってきたような気がする。
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