ヘタレ王子とヤンキー姫
said HARUKI

放課後また手紙を見つけた。

気乗りしないなぁ。

中を見ると、卓也って書いてある。

卓也?

僕はすぐ呼び出された場所へ向かった。

「よっ。」

「卓也…くん?」

卓也はにこにこと楽しそう。

「今“君”つけようか迷っただろ」

…バレてる。

「何?」

話をそらせてみる。

「そんな敵意見せるなよ。転校初日で不安なんだぞ。」

よく言うよ。

思いっきり目立ってクラスの中心にいたくせに。

「俺ん家こいよ。」

彼はそういって歩き出した。

何なんだこの人は。

変なの。

恵美や颯太にも言っておいた方がいいかな。

いやっ今回は一人で何とかしよう。

毎回頼るわけにはいかないもんね。

僕は卓也について行った。
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