ヘタレ王子とヤンキー姫
said TAKUYA

春樹ってやつと、樺音の話を聞いて、俺は覚悟を決めた。

聞いたところ、お互いベタぼれらしい。

颯太の話じゃ、二人の喧嘩の原因は俺。

友達に辛い思いさせてまで秘密を隠し通すつもりはないし。

それに何より、ここで逃げたら男が廃る。

俺は春樹を家にあげた。

アルバムを取り出す。

「さぁ俺はどれでしょう?」

春樹は困った顔をしながらアルバムの中の写真を見る。

「わからないよ。」

…だろうな。

「顔が似てる奴いるだろ?」

春樹の手があるページで止まる。

「しかたねぇな…正解はこれ」

俺が指差した写真に写っていた奴の名前は、

“相澤 貴子”

「双子?」

「俺だよ。」

「えっ?」

そりゃ驚くだろうな。

だって、目の前にたっている、“男”と写真の中の“女”が同一人物なんだから。
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