ヘタレ王子とヤンキー姫
玄関のチャイムを押すと、春樹の母親が顔を出した。

「春くんおかえりなさい。今日は遅かったのね?あれっお友達?」

「こんにちは。松井恵美です。こっちは彼氏の坪井颯太。」

「どうも。」

「春樹の母の前島利奈です。よろしくね。」

春樹が遅くなったワケを話すと、理名は、二人を中へといれた。

「それで?朝助けてくれたのは、誰なの?」

「あっえっと…女王様?」

「えっ?」

「あぁ、彼女…樺音は今いませんよ。先に帰っちゃって。」

「そう、お礼言いたかったんだけどな。」

「今呼びましょうか?」

「大丈夫よ。わざわざ悪いから。」

「気にすることないっすよどうせ暇人ですから。」

「じゃぁお願いできる?」

恵美がすぐに樺音に、電話を掛ける。

携帯からは、今流行りの音楽が流れていた。

恵美は、その曲を口ずさみながら、樺音が出るのを待った。
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