ヘタレ王子とヤンキー姫
待ち歌が一周して樺音が電話に出る。

恵美が待ち歌を最後まで聞きたがることを知っている樺音は、いつも、一周するのを待ってから電話をとる。

〔なに。〕

「おっは〜何やってんの?」

〔朝じゃねぇぞ?漫画読んでたんだよ。〕

「暇人〜」

〔用件をいえよ。〕

「用がないと電話しちゃいけないわけ?
まぁ用があるから電話したんだけど。」

〔意味わかんねぇよ。うぜぇやつだな。〕

「ひど。」

そんなやり取りを繰り返して、恵美は用件だけを伝え電話を切った。

「樺音来るって。コンビにまで迎えにいってくるね。」

恵美は家を飛び出した。
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