ヘタレ王子とヤンキー姫
開業記念パーティーも無事に終わり、俺たちは旅行に来ていた。

海に行きたいと言う恵美の希望で、近くに海のある旅館に予約をとって、二泊三日で泊まることにした。

春樹のやつ大丈夫かな。

まっ理名さんたちが旅行のときもなんとかなったし、大丈夫と信じるしかないよな。

「着いた〜。」

「海海♪泳ぎまくろうぜ。」

みんな楽しそうだな。

春樹は家を出たときは、少し元気なかったけど、今は普通か。なんとかなりそうだな。

「樺音〜早くはやく♪」

「はいはい。」

ったく…ガキかよ。

水は最初こそ冷たいけど、なれたら結構気持ちよかったりする。


けど、俺たちはまだ知らなかった。

これからやって来る恐怖を…。

楽しいはずの旅行が、1夜にして恐ろしい旅行に変わってしまうのを。

まだ知るはずがなかった。
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