ヘタレ王子とヤンキー姫
気がつくと、空はほんのり白くなっていた。

今日は良い天気になりそうだな。


母子の霊は、強く抱き締めあったまま、互いを離そうとはしない。

「お姉ちゃん…ごめんなさい」
「ガキに首絞められたくらいどうってことねぇよ。」

樺音は立ち上がって、母親の霊に向き直った。

「次はちゃんとその手、握っといてやれよ…もう離すんじゃねぇぞ。」

「生まれ変わったら、また母子になれると良いですね。」

「今度は反対に、父親と娘になったりしてな。」

こいつ一発殴ろうかな…。

「兄弟かもしれないよ?」

お前もか…。

「なんだって良いんじゃねぇの?二人が、一緒にいられるんなら。」

なんかカップルみたい(笑)

親子は嬉しそうに頭を下げると、消えていった。

成仏したんだ。

よかった…。

誰もなにも言わなかった。

だってみんな親子が消えるとすぐに、布団に入って寝息をたて始めたから。(笑)
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