ヘタレ王子とヤンキー姫
理名は三人の話を聞いても、それほど驚かなかった。

「まぁ…私の子だしね。」

「鍛えれば強くなりそうだな」
「余計なことしなくていいからね。まぁ多少は強くなってもらわないと、今後が心配だけど」
「…確かに。あんな才能があるんなら、使わなきゃもったいないよな。」

「まっ脳ある鷹は能を隠すって言うし、いざってときに自己防衛が働きゃいいんじゃねぇの」
「能ある鷹は爪を隠す…だろ」
「…うっせーよバーカ。」

「バカはどっちだ。」

「まぁまぁ二人とも。」

「それはともかくとして、あの子の事は、あなたたち3人に任せるわ。」

「了解しました。」

3人は、理名の家をあとにした。

樺音は二人と別れ、家に帰っていた。

家の前では、見知らぬ男が待ち伏せしていた。

「なんだてめぇ。」

「あんたが樺音?兄貴からの伝言。準備は整った。」

「あっ?ナメテンのか?」

「おっと、暴力はいけねぇぜ。俺はただ伝言を伝えに来ただけだ。」

樺音は振り上げた拳をおろした。

「豊に伝えとけ。用があるならテメェがこいってな。」

男はニヤリと笑うと、走り去ってしまった。
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