ヘタレ王子とヤンキー姫
樺音の話を聞いた颯太は、周りを警戒しながら動いていた。

「お前女王のツレか。」

颯太は勢いよく振り替える。

「喧嘩しにきたわけじゃねぇ。忠告に来たんだ。」

「何のだ。」

「変な男が俺のとこに来て、女王潰しを提案してきた。断ったらダチを、ボコボコにされた」

「それで?」

「そいつは多分昔女王と喧嘩して負けたやつ全員に声をかけてる。」

「お前も樺音を恨んでるんじゃないのか?」

「最初はな…けどあの女はボコしたあと最後に必ず言ってたんだ。」

颯太は次の言葉を待つ。

「お前らは俺みたいになるな。今ならまだ間に合うから。」

樺音は気に入らないから殴っていたわけではなかった。

自分と同じ、落ちていくだけの人間になってほしくなくて、喧嘩をしていたのだ。

「それにあの女は、悪さしてる人間じゃないと、喧嘩しないやつだった。」

颯太は、樺音らしいと思っていた。

「わざわざありがとな。」

その男に手を降って、颯太は歩き出した。
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