ヘタレ王子とヤンキー姫

上から、聞こえてきた笑い声に、樺音は顔をあげた。

「樺音がいじめしてるぅ〜
先生にいってやろ〜。」

笑いながら降りてくるのは、樺音の友人である、恵美だった。
「あっ？ふざけてんじゃねぇぞてめぇ？」

普段の樺音ならこんなことで怒ったりはしないが、いまはイライラしているため、こんなことにもキレてしまう。

「まぁまぁそうカリカリしなさんな。っで？これはいったいどういう状況？」

樺音が状況を説明すると、恵美はさらに笑いだした。

「かわい〜。
ってかウケる〜。
ほっとけない樺音もウケる。」
「他人事だと思ってウケてんじゃねぇよ。」

「これはウケるっしょ。」

樺音は、大きなため息をついて下を向いてしまった。