ヘタレ王子とヤンキー姫
逆 is Best!?
週末の休みに入り、四人は遊びに出ていた。

「やって来ました!カラオケ」

「久々〜!!早く入ろう。」

テンションMAXで入店する二人の後ろから、樺音が眠そうにあくびをしながらついていく。

「樺音寝不足?」

春樹が心配そうに覗きこむ。


「昨日夜中までゲームしてたんだよ。」

颯太が部屋を予約していたため、事はスムーズに進んだ。

「誰から歌う?」

「なに歌う?」

樺音は近くにあった灰皿を引き寄せる。


「樺音やめなよ。見つかったら大変だよ?」

春樹が止める。

「…ったく!わかったよ。」

樺音はタバコを箱におさめた。

春樹にとっては、友達といくはじめてのカラオケだった。

「樺音最後にしてよ。樺音のあと歌いにくいから。」

「別にいいけど、最初にいれたらどっちみち俺の次になるぜ?」

「じゃぁ春樹先いれて。」

「どうして樺音のあとじゃ嫌なの?恵美」

「うまい人のあとって、歌いにくいじゃん?」

そう言って、恵美は恥ずかしそうに笑った。

「なるほどね。じゃぁ先にいれるね。」

春樹が先にいれてうたいだす。

その歌声に全員が聞き入っていた。


歌い終わり視線に気づく。


「なっ何?」

「歌うまいなぁと思って。」

ますます歌いにくくなった恵美だった。
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