ヘタレ王子とヤンキー姫
樺音は三人を見ると、春樹を呼んだ。

春樹はふらふらと樺音の方に歩み寄る。

樺音は春樹を膝にのせると、優しく背中を叩いた。

しばらくして春樹は、寝息をたて始めた。

「こうすると落ち着くんだって。理名さんが前に言ってた。もう4年くらい続いてるらしいぜ。」

「何が平凡だよ。嘘つき」

颯太が呟く。

「言えなかったんだよ。嫌われたくなくて。」

恵美が答える。

「時間もったいないからいれろよ。」

「けど…。」

「そうだね。いつも通りにしてないと、春樹が気にする。」

一人疑問符を、浮かべている颯太に、恵美が答えた。

颯太もうたいだす。

春樹が目を覚ましたのは、一時間ほどがたってからだった。

「あれっ…わっ!?」

急いで樺音から離れる。

「おはよ。」

「よく寝てたね。」

「イビキかくなようっせぇ。」

「かっ…かいてないし。」

いつも通りのみんなの対応に、はるきも徐々に落ち着きを取り戻した。
< 85 / 200 >

この作品をシェア

pagetop