ヘタレ王子とヤンキー姫
ライターの火をつける音が、所々から聞こえてくる。

「風うざい!火つかねぇ。」

樺音が火をつけてやる。

「サンキュー樺音。」

見ると樺音はとっくにタバコをくわえていた。

「樺音の彼氏なんて名前?」

「春樹。」

代わりに颯太が答える。

「ってかしゃべんねぇのな。無口?」

「ヤンキーこわがんだよ。」

「樺音バリバリのヤンキーじゃん。」

「何かわいい系なわけ?」

「うん!あっ頭撫でてあげたらなつくよ。」

次に答えたのは、恵美だった。

「何それ(笑)ウケる。」

そう言って女の子たちが笑いながら春樹の頭を撫でる。

最初は怖がっていた春樹も、次第に心を開き始めた。
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