ヘタレ王子とヤンキー姫
携帯を見ると9時を回っていた。


みんなカラオケにいこうと話している。

「朝行ったじゃねぇか。」

「久々集まったし、遊びたいじゃん?」

「その前にファミレスいこうよ。お腹すいたんだけど。」


「わたしも〜。」

「俺も〜。」

賛成の声が上がる。

樺音はタバコに火をつけた。

煙が風に流されて春樹の目にはいる。

「いたっ…目がいたいよ〜」

樺音が気づいて振り向く。

「何泣いてんの?あっ煙はいった?ごめんごめん。」

樺音が春樹の頭をポンポンっと叩きながら、涙を指で拭ってなめた。

そのときの樺音の笑顔に、今度は男子全員がやられていた。

女子は樺音を茶化し始めた。

「樺音エローイ。」

「どこがだよ!!」

「そのうちそのまま舌でなめるようになるんじゃないの?」

「ならねぇよ!!バーカ」


樺音は楽しそうに笑っていた。
春樹が仲間に加わってから、樺音はよく笑うようになった。
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