ヘタレ王子とヤンキー姫
全員が移動する準備を始める。

「俺こいつ送ってからまた合流するわ。」

樺音がみんなに声をかけて立ち上がる。

「え〜春樹も遊べばいいじゃん。」


「人見知りだから、気疲れしてるだろうし、今日は休ませてまた今度遊ぼうな。それにあんま遅いと理名さんも心配するし」

「そっか〜樺音と春樹って親公認のカップル?」

「まぁな。」

「マザコンの親ってちょー性格悪いと思ってた。」

「ドラマのみ過ぎ。」

「ってか樺音毎日送ってかえってんの?」

「特にようがない限り。」

「普通逆じゃない?女が男送るなんて聞いたことないよ。」

そんな何気ない一言に、春樹は、塞ぎこんでしまった。

考えたこともなかったと言えばうそになる。

いつも人の目が気になって仕方なかった。

樺音は、本当は恥ずかしいと思ってるかもしれないと、思った。
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